笑う相続人

代襲相続のお話

笑う相続人」とは、身内が亡くなって、本来なら故人の死を悼むべき立場の人が、予期せぬ相続財産を手にして喜んでいるさまを皮肉ったものです。

昔は、兄弟姉妹に相続権が発生するケースでも代襲相続の範囲に制限がありませんでした。
このために相続人の範囲がむやみに拡がり、相続人の数が30人を軽く超えるようなケースもありました。このために、故人とまったく交流のなかった縁戚者に相続財産が流れたり、相続関係が複雑になりすぎることが批判され、昭和55年に民法が改正されて、傍系血族の代襲相続人は兄弟姉妹の子(故人の甥・姪)までに限られ、再代襲は認められないことになりました。

*再代襲とは ・・・ 代襲相続人がすでに死んでいる場合に、その代襲相続人の子がさらに代襲することをいいます。

民法887条(子及びその代襲者等の相続権) 
1. 被相続人の子は、相続人となる。 
2. 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3. 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。(故人の孫、曾孫にまで範囲が及びます)

第889条(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)
次に掲げる者は、第887条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。

一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。

二 被相続人の兄弟姉妹

2 第887条第2項の規定は、前項第2号の場合について準用する。(第887条3項を準用していないので、再代襲は発生しません。)


未分割のまま年月が経過した相続事案の場合には、当初の相続人が更に亡くなっているケースが多いため、相続関係を確定する際にはそれぞれの死亡時の法律に基づいて判断する必要があります。
ちょっとしたミスで再代襲等の相続関係を見誤ってしまうこともありますので慎重さが求められます。

 相続の開始時期によって異なる法律 (相続大全)
 

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