明治31年7月15日以前に発生した戸主以外の相続

明治31年7月15日以前に戸主以外の相続が開始した場合は、「遺産相続」として特定の相続人が単独で、被相続人の一身に専属するものを除く全財産を相続しました。

家督相続」においては生前に相続が開始することがありますが、「遺産相続」においては被相続人の死亡のみが相続開始の原因となります。

死亡には自然死のみならず失踪宣告による擬制死亡も含まれます。
 

相続人の順位

「遺産相続」においても実務上は慣例等によって運用されていたので統一的な扱いはされていませんでしたが、おおむね以下の順位が採用されていました。

第1順位

被相続人と同一戸籍にいる卑属関係にある親族が第1順位の遺産相続人となります。

明治31年7月16日に施行された旧民法と異なり、この当時の「遺産相続」においては単独相続の扱いでしたので、卑属関係にある親族が数人ある場合の相続順位は次のようになります。

  1. 親等が異なる者の間では親等の近い者が優先されます。
  2. 親等が同じ者の間では男が女に優先されます。
  3. 親等と性別が同じ者の間では嫡出子が庶子または私生児(非嫡出子)に優先されます。
  4. 1~3の順位が同じ者の間では年長者が優先されます。

上記を整理すると次の優先順位となります。

  1. 嫡出男子
  2. 庶出(認知された)男子
  3. 嫡出女子
  4. 庶出(認知された)女子
  5. 私生子(認知されない)男子
  6. 私生子(認知されない)女子

ただし、遺産相続人となるべき卑属関係にある親族が死亡している場合は、その死亡日によって次にように扱われていました。

  • 遺産相続人となるべき卑属関係にある親族が被相続人の相続開始前に死亡している場合
    遺産相続人となるべき人に卑属関係にある親族がいる場合は、その卑属関係にある親族が代襲して遺産相続人となります。
     
  • 遺産相続人となるべき卑属関係にある親族が被相続人の相続開始後に死亡している場合
    遺産相続人となるべき人が相続した財産を、その人の遺産相続人がさらに遺産相続します。

第2順位

卑属関係にある親族がいない場合は、被相続人の配偶者が遺産相続人となります。
現行の民法のように配偶者が必ず相続人となるわけではありません。

第3順位

第2順位の相続人もいない場合は戸主が相続人となります。