死後離縁と相続権について

死後離縁した場合の相続権への影響について

養子縁組をした後、何らかの事情で養子縁組を解消する場合があります。
養子縁組の解消には、「協議離縁」「調停離縁」「裁判離縁」「審判離縁」の4つの方法がありますが、
養親と養子のどちらか一方が先に死亡しても、それだけでは養子縁組が解消することにはなりません。
しかし、養親または養子が死亡した後で、生存当事者が離縁を望む場合には家庭裁判所の許可を得て離縁することができます。これを「死後離縁」といいます。

この死後離縁をした場合、養親と養子との間で発生した相続関係はどうなるのかという疑問が生じますが、一旦発生した相続権には何ら影響はなく死後離縁の後も相続人の地位を失うことはありません。

ただし、死後離縁をすることで死亡した当事者の親族との関係(法定血族関係)は解消されますので、仮に養親の死亡後に養子が死後離縁をすれば、養親の親族との親族関係(法定血族関係)が絶えてしまいますので養親の親族との間では相続権が発生することはなくなります。

下図の事例では、

養子Cは、養親の相続については死後離縁後も相続できます。

しかし、実子Aが死亡した場合、養親の死亡後に死後離縁していなければ実子Aの相続人となりえますが、死後離縁後に実子Aが死亡した場合には相続人資格はありません。
その結果、実子Aに配偶者も子もいない場合、実子Bのみが相続人となり、法定血族関係が絶えたCには相続権がありません。

相続関係を誤認してしまいますと、相続手続きがまったくちがう方向に向かってしまいます。相続人の調査・確定の際には、身分関係の動きについては時系列化して確認することがなにより大切です。
 

死後離縁許可

死後離縁は、申立人(生存当時者)の本籍地又は住所地の家庭裁判所に対して審判の申立をし、その許可審判が確定した後に市区町村役場に届出をすることになります。
離縁届が受理されれば離縁の効力が発生し、生存当事者と死亡した当事者の親族間の法定血族関係は終了します。