胎児認知について

胎児の権利能力擬制と胎児認知

胎児相続については既に生まれたものとみなされ(民法886)、また、父は胎児を認知することもできます。

民法第783条
父は、胎内にある子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。   

     胎児の権利能力擬制
     胎児認知届(在外日本国総領事館向)
     胎児認知届(国内役所向)
 

胎児認知の方法

父親が自ら役所に胎児認知の届出をする方法と、遺言による胎児認知があります。

                           胎児を認知する場合の遺言文例

遺言認知の場合は遺言執行者がその就職の日から10日以内に認知届をしなければなりません。いずれの場合も届出そのものに大きな差異はありませんが、胎児認知の場合は必ず母親の承諾が必要になります。

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元来、胎児認知は、父親が出征や疾病などによって現実的に死亡する可能性が高い状況下にあるときに行うことが多かったのですが、その後は、婚姻関係にない外国人との間にもうけた子に日本国籍を取得させるために行うケースが増加するという経緯を辿りました。従前、出生後の認知では、国際婚外子は母親の国籍しか取得できず、日本国籍を取得させるためには胎児認知をする必要がありました。
子が日本国籍を取得するか否かは、生まれてくる子だけではなくその母親にとっても、査証発行等の関係から重大な影響を及ぼしていました。しかし、2008年6月4日、最高裁は、外国人の母と日本人の父との間に生まれた国際婚外子について、「出生後に父親が認知しても、婚姻要件を欠く国際婚外子には日本国籍の取得を認めないとした国籍法は憲法違反である」とする判決をくだしました。これを受け、2008年12月に国籍法・国籍法施行規則が改正され、両親の婚姻要件が撤廃され、国際婚外子を出生後に認知した場合であっても日本国籍の取得が認められるようになりました。

通常は、子の出生後に認知するケースが一般的です。また、父親が任意(自発的)に認知するケースは少なく、殆どが強制(裁判)認知のケースです。出生前の「胎児認知」によって養育費等の取り決めをしておくことが望ましいことではありますが、さまざまな事情が絡むことですので、出生前に胎児認知するのはレアなケースといえます。


(出生による国籍の取得)
第2条 子は、次の場合には、日本国民とする。
1 出生の時に父又は母が日本国民であるとき
2 出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であつたとき
3 日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき
 
婚姻関係にない日本人の父と外国人の母との間に生まれた子については、胎児認知している場合には出生によって日本国籍を取得しますが、出産後の認知の場合は、原則として、出生によって日本国籍を取得できません。しかし、認知された国際婚外子でも一定の要件をクリアすれば、法務大臣への届出によって日本国籍を取得することができます。

(認知された子の国籍の取得)
第3条 父又は母が認知した子で20歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによって、日本の国籍を取得することができる。
2 前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得する。