現金・預貯金の評価

現金について

相続時点で被相続人が保有している現金は、当然ながらすべて相続財産となります。しかし、相続時において、被相続人の現金残高を正確に把握することはとても困難なことです。現金をどこに保管しているかは、本人以外は知らない場合が多いからです。

被相続人が生前に長期間入院していて、配偶者などが被相続人名義の預貯金の管理をしていることは、珍しくありません。この場合に、被相続人がお亡くなりになられる直前に、預貯金を管理している方が、葬儀費用等に備えるために、まとまった金額を出金する場合があります。

実際に葬儀費用等に充てたために、相続手続きを開始する際には、出金した現金が相続人の手元に残っていないために、相続財産に現金はないものとして扱われる方もいらっしゃいます。
しかし、出金した現金は、相続発生時点には被相続人固有の財産として存在しておりますので、相続税申告等では、相続財産に現金として計上する必要があります

また、相続発生前に、被相続人の口座からまとまった出金があったが、その使途が不明な場合には、税務当局から現金の計上漏れの指摘を受けることもありますので、注意して下さい。

預貯金について

預貯金については、銀行等の普通預金やゆうちょ銀行の通常貯金であれば、相続発生時点での預入残高が評価額となります。
相続発生時点にまでに付されているであろう利息についても、原則として相続財産に該当しますが、現在のように普通預金金利が低い状況では、特段計算する必要はないと考えられます。(但し、預入残高が高額な場合は、計算が必要となります。)

定期預金や定額貯金については、相続発生時点の元本(預入残高)に既経過利息(預貯金をその時点で解約した時に支払われる利息)を加えて相続税評価額とします。
この利息には20.315%の源泉所得税等が発生するため、評価の際には、この源泉所得税等相当額を差し引いた金額が既経過利息の額となります。

預貯金の評価のまとめ

(1)定期預金、定額貯金

課税時期における預入高+既経過利息の額-源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額

(2)(1)以外の預貯金で既経過利息の額が少額なもの

課税時期における預入高