協会けんぽ|被保険者、被扶養者の死亡と埋葬料・埋葬費

 

健康保険法に基づく医療保険には、「組合健保」と「協会けんぽ」の二つの制度があります。  
 
全国健康保険協会は、自社の健康保険組合のない中小企業の従業員やその家族が加入していた政府管掌健康保険が、平成20年10月から全国健康保険協会に引き継がれ、「協会けんぽ」が保険者となって、健康保険事業を運営・管理しています。この「協会けんぽ」も組合健保と同様に、被保険者が死亡したときの「埋葬料埋葬費」、被扶養者が死亡したときに被保険者に支給される「家族埋葬料」があります。

注意  ただし、会けんぽでは、「組合健保」と異なり付加給付としての「埋葬料付加金」は支給されません。
 

埋葬料・埋葬費、葬祭費のちがい

 
国民健康保険の場合は「葬祭費」、社会保険の場合は、受給者によって「埋葬料」と「埋葬費」とに区別されます。
加入している保険制度によってこれらの死亡給付の名称は異なりますが、概ね性質は同じものです。
 
埋葬料と埋葬費の違い.png

被保険者に生計を維持されていた者とは

被保険者によって生計の一部でも負担されていればよく、民法上の親族である必要はありません。
また、被保険者が世帯主であったか否か、被保険者との同居事実も問われません。
 

埋葬を行った者とは

生計維持関係にあった者がいないケースでは、実際に葬儀を行った者(喪主・施主)に対して埋葬に要した実費分(ただし埋葬料の範囲内)が埋葬費として支給されます。
したがって、被保険者によって全く生計維持されていなかった者は、父母・子のような直系の血族が埋葬を行った場合であっても埋葬料ではなく「埋葬費」が支給されます。
また、友人・知人、近隣者といった親族関係にない者でも実際に葬儀を行った者であれば「埋葬費」を受給できます。
 

埋葬に要した費用(実費)とは

霊柩車代、借料、霊柩運搬人夫賃、火葬料(埋葬料)、霊前供物・供花代、僧侶へのお布施などを含みます。
ただし、病院で亡くなられた場合の遺体の移送費用や葬儀の際の飲食接待費は含まれません。
 

労災による死亡でなければ自殺でも支給されます。


健康保険における死亡給付は原則として死因を問いませんが、業務災害や通勤災害が原因で死亡したときは、労災保険による「葬祭料」が支給されますので、健康保険の給付である埋葬料等を重ねて受けることはできません。

          労災保険による葬祭料・葬祭給付
          健康保険法第55条

ただし、業務上の負傷等でも労災保険の給付対象とならない場合は、法人(5人未満の法人除く)の役員としての業務を除き、健康保険の給付対象となります。 
 

退職による資格喪失後に死亡した場合の受給の可否

 
被保険者が退職によって保険資格を喪失した後に死亡した場合でも、以下の要件のいずれか一つにでも該当している場合であれば被保険者が保険資格を喪失した後に亡くなったケースでも埋葬料(費)の請求が可能です。
 
1 被保険者が資格喪失後3ヵ月以内に亡くなったとき。
2 被保険者が傷病手当金または出産手当金の資格喪失後の継続給付を受けている期間に亡くなったとき。
3 被保険者が傷病手当金または出産手当金の資格喪失後の継続給付を受けなくなった日後3ヵ月以内に亡くなったとき。
 

被扶養者が亡くなったときの保険給付

 
被保険者の被扶養者が亡くなったときは、被保険者に1人につき5万円が家族埋葬料として支給されます。
 
なお、被保険者が保険資格を喪失した後に被扶養者が亡くなったケースや被保険者の子が死産だったときは被扶養者として認められないために家族埋葬料は受給できません。
ただし、出産のあと暫くでも生存していた場合には家族埋葬料は支給されます。 
  
 

埋葬料・埋葬費、埋葬料付加金の請求の必要書類

 
 
 ・ 埋葬料・埋葬費、埋葬料付加金請求書(事業主の証明を受ける必要があります)
 
 ・ 死亡事項の記載がある戸(除)籍謄本、死亡診断書(死体検案書)、埋葬・火葬許可証などのコピー
 
埋葬費の請求の場合は以下の書類も必要になります。
 
 ・ 埋葬費用の領収書と明細書
 
 ・ 埋葬した者との関係を証明する書類
 
 ・ 健康保険被保険者証