「相続についてのお尋ね」が送付されてきた場合

次のような方に「相続についてのお尋ね」が送られてきます

被相続人が死亡した場合には、相続人等が死亡を知った日から7日以内に、その死亡地の市区町村長に対し、死亡届を提出することになっています。

死亡届の提出を受けた市区町村長は、提出を受けた日の翌月末日までに死亡届に記載された事項をその事務所の所在地の所轄税務署長に通知します。
これにより、税務当局は相続発生の事実を把握することになります。

次に税務署側では各種申告書や保有している多種にわたる資料を調査して、相続税がかかるかどうかを判断しているものと考えられます。
そして、各種資料に基づいて、相続税の申告義務が発生する可能性が高いと推測している方に「相続についてのお尋ね」等を送付しています。

「相続についてのお尋ね」の内容と対応方法

相続についてのお尋ね」には、被相続人の住所・氏名・職業、相続開始年月日、相続人の住所・氏名・続柄などの被相続人・相続人に関するものと、被相続人の資産、負債、葬式費用、死亡前3年以内の贈与などの相続財産の概要を記載するようになっています。
簡易的な財産リストを作成するようなものです。「相続についてのお尋ね」が送付されてきた方は、税務当局が相続税のかかる可能性が高いと判断している方ですので、相続税の申告書の提出について詳細な検討が必要になります。
とはいっても、税務署から送付されてきたからといってむやみに不安を感じる必要はありません。むしろ、相続税の申告書の提出の要否を判断するよいきっかけを与えてもらったととらえるべきです。

「相続についてのお尋ね」が送付されてきても、必ず相続税が課税されるとはかぎりません。
明らかに、基礎控除額に満たない場合等で、相続税を納付する必要がない場合は、相続税の申告書の提出は必要ありません。「相続についてのお尋ね」だけを作成して提出しておけばよいのです。

相続税の申告が必要かどうかを判断するには、財産の種類・数量・評価額などを調査して財産目録を作成したうえで行いますが、「相続についてのお尋ね」に各種遺産の内容や金額を記載してゆくことは財産目録を作成することにほかなりません。
税務署では、返送されてきた「相続についてのお尋ね」の内容と税務署が把握している相続財産の内容とを照合して相続税課税の有無を検討しますので、相続財産の記載漏れがないように注意して作成し、期限内に税務署に提出するようにして下さい。

相続財産に不動産や自社株式などがあり、評価が難しい場合や、「相続についてのお尋ね」を作成してみて、相続税が課税される可能性が高い場合には、専門家に相談することをおすすめします。